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競争法を勉強中。

アメリカのロースクール(LL.M.)の選び方

といっても、特に目新しいことを提示しようというものではない。

1年目のロースクールと2年目のロースクールを比べてみて、2年目のロースクールの方が、自分に圧倒的にフィットしていると感じる。英語が少しはましになっている、という点を差し措いても、である。

いくつかある理由を、以下簡単に列挙してみたい。

①勉強したいことが学べる。

私の場合は、反トラスト法や規制関連の法律を学びにきたので、その関連科目が異様なほど豊富なのは、本当に嬉しい。1年目のロースクールにも、興味のある科目はあったが、充実度ではだいぶ差がある。

②実務家教員の授業が多い。

私の興味分野の性質も相まって、履修している科目の担当教授は、実務家が多い(しかも、かなり豪華なメンバー。)。いずれの教授も長いことロースクールで教えている関係で、授業の構成は練られているし、とにかく勉強になることが多い。たまに、情報量が多く閉口することもあるが。

1年目のロースクールには、そういう授業がなかった。一人だけ、弁護士出身の先生がいたが、1億円プレーヤーであると豪語することに夢中で、授業はケースブックを読み上げるだけの単調なものだった。

③興味分野の共通する友人がいる。

これ、超重要。1年目は、正直、周りでは誰も反トラスト法になんて興味ないぜ、って感じで、連帯感が薄かった。今年は、自分と同じような意欲を持っている同級生と数多く巡り会った。おかげで、刺激を受けることが多い(したがって、自分のできなさに焦ることも多い。)。

④学生の構成が多様。

③とも関連するが、2年目のロースクールには、実に多様な人材が集まっている。職種・国籍のDiversityが売りだ、と入試担当者も言っていた。おかげで、実にいろいろな人と会う機会を持つことができ、楽しい。少人数のLL.M.を売りにしている学校を選ぶ場合には、その分多様性が乏しい可能性があること、したがって、自分に影響を与えてくれる人との出会いが少なくなる可能性があることに留意が必要だと思う。

⑤LL.M.のプレゼンスが高い。

LL.M.に対するフォローは、1年目のロースクールと比べて、明確に手厚い。授業もLL.M.に向けた授業が多く用意されており、非常に助かる。

 

当時は、死にものぐるいで毎日を過ごしていたので、そんなことを思う余裕はなかったが、客観的にみると、こう書いてみると、1年目の生活が実に満たされていなかったようにみえてしまう。さて、ではなぜ1年目と2年目で、このような落差が生じてしまったのか。

理由は2つある。

①ランキングにこだわってしまった。

1年目のロースクールは、ランキング的にはかなり高い方だったので、複数迷いつつも、最後はそこを拠り所に決めてしまった。しかし、当たり前であるが、ランキングが学校生活や教育の全てを表すものではない。

②在学経験者(在学生、卒業生)に話を聞かなかった。

入学後に、在学生や卒業生に話を聞いてみると、思った以上にロースクールの色というのがあるということが分かった。どういったカリキュラムがあるのか、どのようなことが大変なのか、といったシラバスからでは分からない情報をきちんと集めておくべきであった。

 

①も②も、何とも愚かな理由だと我ながら思うが、しかし、これから留学される方には、学校を選ぶ際に、是非とも慎重になってほしいと思う。とにかく、学校のカリキュラム、規模、立地、単位要件、教授の構成などが自分の勉強の指針とフィットするか、である。

1年目と2年目とで、多様な経験ができることに、感謝しなければ、とこれを書いてみて思った。さ、勉強勉強。