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競争法を勉強中。

タナソウ

大学生の頃、飲み会の席で、語学クラスの友達に、「SNOOZERって音楽雑誌が好きなんだ」と話したときに、「ああ、あの超主観的なレビューが並びまくってる雑誌ね」と吐き捨てるような返事が返ってきたので、「客観的なレビューなんて存在すんのか、ゴルァ!」と言い返し、諍いめいたことになってしまったことを、下記の記事を読んで、ふと思い出した。


昔のタナソウは、ここまで分かりやすく自分の音楽批評に対する考え方を明確には説明してなかった気がするけれど、とにかく、独善的で訳分かんない批評であっても、そこで描かれる世界や考え方がどことなく新鮮で、それをきっかけに読者が自分の興味を広げていけるというものであれば、それはいいレビューといっていいんだと思う。

 

SNOOZERという雑誌は、やはり突出して変な音楽雑誌で、ロッキンオンはゴミだ!と毎号連発してみたり、最初はColdplayをいいって言ってたくせに、突然叩き始めたり*1、と、読んでてめんどくせぇなと思う箇所も少なくなかったが、それでも、好きなアーティストのインタビューと、ディスクレビューは、必ず読んでたなぁ。。。編集部員の、どこかカルト集団めいた雰囲気もたまらなく好きだった。

そんなこんなで、SNOOZERを愛読し続けて12年経ったある日、廃刊が発表されたときは、頭がくらくらするなんてこともなく、この日が来たか。。。と、割と冷静だったな。

さて、SNOOZERの編集長だったタナソウは、現在、the sign magazineというウェブ雑誌で、新しい挑戦を続けている。

これまでの自分を振り返ってみると、音楽を聴くのが楽しいと思うときって、自分のアンテナを思う存分張り巡らした状態で、これは面白い、これはダメだ、と勝手に難癖をつけながらアルバムを漁るという行為がセットになっていた気がする。ただ、これを実行するに当たっては、余程時間のある人でない限り、やっぱり羅針盤というか、セレクトショップというか、そういった機能を果たしてくれるメディアがあった方が、断然便利な訳で、その便利なメディアが、自分に取ってはSNOOZERという雑誌だった。

SNOOZERがなくなった後、しばらくいろんなメディアを漂流していた自分にとって、the sign magazineが、日に日に重要な存在となりつつある。

もう一度、音楽をちゃんと聴いてみたいと思わせてくれたタナソウに、感謝しなければ*2

*1:ちなみに、自分はColdplayが好きではない。

*2:トップではなく、Creative Directorという肩書きで仕事をしているので、小林さんという編集長の方にも感謝しなくては。