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競争法を勉強中。

PAEによるAppleへの特許侵害に基づく損害賠償請求


Apple ordered to pay $533 million for patent infringement | Reuters


Fresh off $533M victory, Smartflash files another patent suit against Apple

 

- Patent Assertion Entities (PAE)が、Appleに対して特許侵害を根拠とする損害賠償を請求したところ、認容(請求された額からは減額されたものの、それでもかなり大きい賠償額である。)。

- PAEについては、様々な定義があるが、特許を用いて製品・サービスを生み出すのではなく、特許自体を使ってお金を稼ごうとする事業者のことだと考えておけば、とりあえずは良さそう。競争政策上、PAEは、必ずしも否定的に捉えられるばかりではなく、その活動の内容によっては、市場に効率性をもたらすこともあるとされている。

- PAEの訴訟における勝訴率は、極めて低い(8%)。陪審員は、通常PAEの主張に対して懐疑的であるということが、その理由の一つだと言われている。

- 本件 PAEは、二個目の記事にあるとおり、本訴訟後も、連続して特許侵害訴訟を提起しているが、これは、パテントトロールと呼ばれる特許濫用に従事する事業者の一つの特徴であり、社会的コストを上昇させる一方で、それを補償するような価値を提供するものではないだろうと推測される。

- こういったPAEの活動を抑止するために、ある事業者によるPAEに対する特許の譲渡が、当該事業者の競争者のコストを引き上げるような場合には、当該譲渡は競争を実質的に制限するものとして、クレイトン法で規制してはどうか、といった提案がなされている。