4:59

競争法を勉強中。

State action immunityに関する最高裁の判断


Supreme Court Conservatives Split Over Antitrust Scrutiny Of State Boards - Forbes

 

- ノースカロライナ州は、州法により、歯科医等により構成される州委員会に対して、歯科医業に関する権限を委任していたところ、歯科医以外の者が歯のホワイトニング治療に従事することを妨げ、同市場から排除したとして、FTCが5条違反により審判を開始。ALJ、連邦控訴裁ともFTCの主張を支持。これに対して、州委員会は、Parker判決において提示されたState action immunityに該当すると主張。

- 州が追求しようとする基本的な価値と、連邦法である反トラスト法が守ろうとする価値(自由な競争)が衝突する場合に、いかに調整が図られるべきか、というのが基本的な問題点。

- 最高裁の判示は、以下のとおり。

  • 州が表面的に関与しているというだけでは、State action immunityは認められない。
  • Midcal判決が示すとおり、immunityが認められるには、①州が反競争的な行為を許容するという政策を採用する旨を明言していること、②反競争的な行為について、積極的に監督していることが必要。
  • 州から権限を委任された組織であっても、自己の利益を追求する可能性があることに留意すると、市場の参加者により構成される非統治団体に対してimmunityを認めるに当たり、②の要件が充足されることは必須。
  • 本件では、州による積極的な監督が行われているという事実は認められないため、州委員会によるimmunityの主張は認められない。

(競争と規制の関係を考える上で、参考になる判決だと思う。)