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競争法を勉強中。

真面目であること

ロースクールには中国からの留学生が多くいるが、学部を卒業した後、社会人経験を積まずにダイレクトで来ている人がほとんどである。そんな中、私の友人の一人は、現在30歳前半で、中国の知財系法律事務所で5年ほど経験を積んでから留学してきたという、中国人留学生の中では、かなり珍しいタイプに属する。

この彼がとにかく真面目である。取得単位の上限まで科目を受講するだけでも十分大変なのであるが、彼は、それに加えて、3科目聴講しているという。英語が極めて堪能なので、なんとかついていけるのかもしれない。毎日毎日遅くまで勉強して、外出する時間などほとんどないという。

服装も、いつもスーツか、又はビジネスカジュアルである。窮屈ではないのか、と聞いたら、年相応の格好をするのが大人だ、という趣旨のことを言われた。

勉強や生活態度だけではない。考え方も真面目である。冗談ではなく、自分は、中国と諸外国の架け橋になるんだと、いつも言っている。学生同士は、ミクロの単位ではなく、もっとマクロの単位(要するに国という単位)でも理解を深め合わなくてはならないというのが彼の信条である。

この、ある種暑苦しいほどの真面目さは、同級生の若い中国人には、どうも受け入れがたいらしく、そういう話を彼が始めると、そそくさとその場を後にしたり、中には嘲笑するような子さえいる。もっと気楽にいこうぜ、なんでそんなに堅物なんだお前は、と言わんばかりに。実際、最近の彼は、一人で過ごしていることが多いように見える。

しかし、個人的には、そういった大きな価値観と使命感をもって日々を過ごし、勉強し、人とコミュニケーションを取っていくというのは、すごい価値のあることではないか、と思う。よく大言壮語、というが、しかし、そういう言葉を好んで用いる人に限って、物事を矮小化し、自分の得意な分野についてだけ大きな顔をしたいタイプだったりする。

別に、間違っていてもいいじゃないか、無力だっていいじゃないか。物事を主張することの勇気について、少しでも敏感であるならば、彼の主張に賛同するかはひとまず措いておくとしても、もっと敬意を払うべきなのではないかと思う。

という文章を書いていたところで、こんな記事を見つけた。正直タイトルはどうかと思うが、私が思っていたことと、クロスするところがあったので、備忘的に貼付けておく。


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