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競争法を勉強中。

妻の頑張り

幸運なことではあるが、私は、留学するに当たり、妻に一緒に来てもらい、いろいろな面で彼女から助けを得ている。

留学の成果を最大限にあげるためには、伴侶を連れて行くのは良くない(特に英語のスキルアップの面で)という意見をもらったりもしたが、私としては、彼女が行きたいと言っていたし、連れて行かないという選択肢はなかった。実際には、留学前に指摘されていた懸念がばっちりと当てはまるような英語の伸びなさぶりを露呈してしまっているが、不慣れな土地で夫婦二人力を合わせて暮らすという経験は、我々にとって非常に重要なものだと日々実感している。

その妻が、最近英語教室に通い始めた。日程は、週5日、朝7時から9時までと超がつくほどハードである。最もレベルの高いクラスに入れられてしまい、グループワークと難しめのテキストの解説が授業の中心となっているそう。ちょうど3週間目が終わったところであるが、当初は、そもそも起きることすら大変だし、車で通学しなければならないということもあって、だいぶストレスの溜まる日々だったようである。

そんな妻に、最近少しずつ友達ができつつあるみたいで、「カレン」とか「エレナ」とか「マリア」とか、沢山の級友の名前を聞くようになった。心なしか、表情も明るくなった気がする。日本人的な英語力しかない中で、日本人ひとりぼっちのクラスに毎日通う辛さは、私も十二分に理解できるところなので、歯を食いしばりながら、笑顔で(やり)過ごしているのかもしれない。なんというかちょっと感動する。

ロースクールという環境は、ケースブックに向かい合っていれば、一人でいるという名目が立ってしまうところがあり、どうしても人と付き合うのが億劫になりがちであるが、英語を少しでも喋れるようになろう、自分を磨こうという姿勢を失わない妻の態度には、刺激を受けるところがある。海外のコミュニティに身をおく中で、相手の言っていることがよく分からなくても、笑顔で一緒にいる時間を増やす、というやり方は、十分なコミュニケーションなしに相互の理解を深めるために、実は非常に大事なスキルなのかもしれない。私も見習わなければ。