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競争法を勉強中。

反トラスト法の理論

反トラスト法を学んでいて、いちいち納得することが多いというか、日本の独禁法を学んでいたときのように、結果何も言ってないじゃん!と言いたくなるようなことがないことに驚いている。

例えば、学者によるカルテルの仕組みに関する解説は、経済学的な考え方を基本的な議論の前提としているし、最高裁だって、再販に関する考え方を大転換させた近時の判例の中で、多数意見と少数意見のいずれもが、その再販行為の反競争的な効果と競争促進効果を丁寧に分析して議論を戦わせている。日本だと、公正競争阻害性というマジックワードで説明が終わってしまうようなところがあるけれど、それだけじゃ何もわかんないよなぁと改めて思う(公取委のガイドラインも再販の本質に踏み込んだ解説はしていないし。)。

良い教科書・良い授業というのは、様々な論点について本質から説き起こし、学習者のきちんとした基礎的な理解を導く、という作りになっていると思うけれど、独禁法については、そのようなものにお目にかかったことは、まだない(自分の勉強が足りないだけかもしれない。)。最近、経済法の選択者が減少傾向にあるという話を聞いたが、そういった教育のリソースに改善がなされれば、また人は戻ってくるのではないかしら。